目次
メリーポピンズ
あらすじ
1910年。ロンドンの桜通りに住むジョージ・バンクス氏は厳格で気難しい銀行家。妻のウィニフレッドも女性参政権運動に夢中で、子供は全てナニー(乳母)任せだった。 二人の子供である、姉のジェーンと弟のマイケルは悪戯好きで、ナニーがすぐに辞めてしまっていた。
新しいナニーを募集しようと広告の文章を考えているバンクス氏に、子供たちは「優しくて、美しく、親切でおもしろいナニー希望」の広告を書いて見せるが、父は子供たちの意見を汲むどころか、その紙を暖炉に放りこんでしまった。
しかし、ジェーンとマイケルの広告は煙突から空高く飛んで、雲の上のメリー・ポピンズのもとに届いた。翌朝、バンクス氏の出した広告を見て集まった応募者達がバンクス家の玄関の前に並んでいると突然風が強くなり、応募者はみな吹き飛ばされてしまう。あっけにとられる子供達をよそに、傘を差したメリー・ポピンズが空から舞い降りてくる。
(Wikipediaより引用)
作品・スタッフ・キャスト
公開:1964年(米):1965年:1995年
上映時間:139分
制作国:アメリカ
メリーポピンズ:ジュリー・アンドリュース(台詞:麻生かほ里)(歌:伊東恵里)
バート/ミスター・ドース・シニア:ディック・ヴァン・ダイク(山寺宏一)
ジョージ・バンクス:デヴィッド・トムリンソン(永井一郎)
感想
不思議な魅力のあるメリー・ポピンズ
映画のオープニング、雲の上に座りコンパクトを取り出して、頬にポンポンはたいているメリー・ポピンズが出てきます。この時点で、普通の人間ではないんだろうなと思いますが、バンクス家にきてナニー(乳母)として面談をしている時には、そんな突拍子のないところから来た人だとは思えないほど淑女です。
しかし面談を終え二人の元に向かってくるメリー・ポピンズは、やっぱり少し変わっていて、階段を一段ずつ上るのではなく、手すりに腰を掛けるとするすると優雅に滑り上ってくるのです。その後も絨毯製のバックを開けるとドラえもんの4次元ポケットのように色々なものを出したり、身長を測って二人の性格を言い当てたり、歌いながら苦手なお部屋の片付けのコツを教えてくれます。
少し厳しくもちょっぴり不思議なメリー・ポピンズに子供達は一気に虜になっていくのです。
かくいう私もその魅力に捕まった一人です。(笑)
なんですかね…。優雅なのにおちゃめなんです。メリー・ポピンズって。とっても可愛らしい人なんですよ。本当この映画を観た人は皆、メリー・ポピンズの魅力に捕まると思います。というか、この作品に出てくる人は皆おちゃめで可愛らしい人ばかり。作品自体がとても魅力的なんですよね。
ポン吉
まき子
意外と子供向けではない
メリー・ポピンズやバードが子供達に教えてくれる事は、意外と悩んでいたり行き詰っていたりする大人にも深く刺さる内容だったりします。
例えば冒頭のお片付けする時の歌は、『やらなければならないどんな仕事にも、なにか楽しみはあるはずよ。そのお楽しみをみつければ、仕事が遊びになってしまうんだから。』と歌い始めます。
その後歌っている曲のサビも、『お砂糖ひとさじあれば、薬を簡単に飲みこめる。どんなに苦い薬だって、楽々飲めてしまうのよ。お砂糖たったひとさじで、ほら、苦い薬を楽々飲めくだせるのよ。』というもの。
このコツ、『嫌な事でもコツをつかめば簡単で、楽しくやってしまえばなんてことはない』というものです。劇中では、魔法のような事を使って行っていますが、コツ自体は大人子供関係なく嫌なことに立ち向かう時に使える事ではないでしょうか?
それ以外にも実は深い名言がたくさん劇中に隠れているのです。観る人の歳や立場によって色んな解釈や見解があって何度観ても楽しめる作品だと思います。
夢をこわさない技術力
『ウォルト・ディズニーの約束』という映画を観るとわかるのですが、元々、ミッキーの生みの親であるウォルト・ディズニーさんが、原作のメアリー・ポピンズが好きな娘さんとの約束で映像化されたそうです。この映画の制作はかなり難航したようですが、子供の夢を壊さぬよう、原作者の意図を壊さぬよう、魔法の世界を表現しているのが本当によくできているんです。
原作者のパメラ・L・トラヴァースさんはアニメーションは嫌だったようですが、劇中の2次元アニメーションの中で3次元の役者さんが演技をするという有名なシーンがあるのですがそのクオリティが本当にすごい。
技術で言えば、現代のCG技術のほうが綺麗でリアル、そして実写の部分との狂いも少ないと思いますが、今から約50年前にこのクオリティーで、魔法の世界を表現しているのは本当にすごい。多分クロマキー技術とワイヤーアクションを駆使して魔法の世界を表現しているんだと思いますが、流石ディズニー作品だなとしか言いようがない技術力です。
まとめ
おすすめかどうか?
おすすめかどうかで聞かれたら、それはもうおすすめです!何度も観てる私に言わせれば、おすすめじゃない訳がない!
お子様や女性の方は、すんなりと作品を楽しめると思います。夢の世界にどっぷり浸れますし。いくつになっても魔法の世界っていうのは魅力的ですから!それに加え、上にも書きましたが、子供だけではなく悩める大人たちにも深く刺さる言葉が多い。
劇中歌も有名曲が多く、曲もいいので飽きることもないと思います。子供たちを寝かしつける時の子守唄には、ジュリー・アンドリュースさんの優しい歌声も相まって、本当の夢の世界へ行ってしまいそうになりますが…。(笑)
ただ男性の方の中には、少し退屈で幼稚な内容に思う方もいると思います。でも私は、そんな男性にこそ観てほしいのです!
男性にこそ観てほしい理由
それは、お話の肝である本当の主役は『お父さんのジョージ・バンクス』だと思うから。子供たちでも、メリー・ポピンズでもないんです。
この映画に出てくる人は、皆ちょっと自分勝手で、傲慢で、影響されやすいんです。(笑)
そんな人達が、メリー・ポピンズに影響され少しずつ変わっていき、明るく活き活きと生活している中、一人お父さんのジョージだけが、理想の『伝統ある規律の取れた規則正しい生活』に置いてきぼりになってしまいます。最初こそ、お父さんのジョージも一生懸命、元の生活に皆を戻そうとします。でもそれは皆が望んでいる事なのでしょうか?
自分のエゴなのではないか?おかしいのは自分ではないのか?ものすごく悩むのです。
何故こうなってしまったのか?バンクス家の主としてどうすべきか?自分が大事にしたいものは何か?自分は何がしたいのか?楽しい事とは何か?すべてが解決した時、メリー・ポピンズはバンクス家からいなくなるのです。
メリー・ポピンズは、子供たちのために来たのでしょうか?本当は、雁字搦めになってしまったお父さんであるジョージのためにバンクス家に来たのではないのかと思ったのです。
ウォルト・ディズニーの約束
上にも書いた、この同名の映画を観ると原作者のパメラ・L・トラヴァースさんが、幼少期に体験した事がこの原作であるメアリー・ポピンズの元にあるのではないか?という事がわかります。そしてメアリー・ポピンズは、自身の叔母さんからインスピレーションされたと、原作者のパメラ・L・トラヴァースさんは1977年放送のラジオでおっしゃっていたそうです。
ウォルト・ディズニーの約束の劇中で、その叔母さんがやって来るときはパメラ・L・トラヴァースさんのお父さんが悩んでいる時、そのせいで家庭がめちゃくちゃな時にやってきます。この事からおいても、やっぱりメリー・ポピンズは家庭を守る責務を負って壊れてしまったお父さんを助けに来ているのではないか?と私は感じたのです。
正直、男性ではないのでわかりませんが、こういう常に責任と隣り合わせで、決断を迫られ、皆を先導する役を請け負うことの多い男性は、ジョージの悩みは他人事ではなく、家庭においても、ビジネスシーンにおいても、同じような悩みがあるのではないでしょうか?
思い当たる男性は、劇中のジョージの背中にグッとくるものがあると思います。だからこそ観てほしいのです。
最後に、リターンズに向けて
54年ぶりに続編が公開された、このメリー・ポピンズ。私は大好きすぎて、冒頭から最後まで完コピ出来るほど、何度も何度も見返した映画です。リターンズが日本で公開されて注目されてる今。一度見たことある方も見たことない方も、是非、観てほしいと心の底から思います。
そしてリターンズのお話は、前作である、この作品に出てくるバンクス家の子供だったマイケルが、大人になり自分の父と同じ様に家庭持ち、父になったところにメリー・ポピンズが帰ってくる。というお話のようなので、リターンズに向けて観ておくと良いのではないでしょうか?
このメリー・ポピンズに出ている『バート兼ミスター・ドース・シニア役』の、ディック・ヴァン・ダイクさんも、おじいさんになり、リターンズでは『ミスター・ドース・ジュニア役』として出演しているそうです。
まき子
ポン吉
リターンズの予告や、TVCMを見たのですが、メリー・ポピンズが鏡を見ながら、後ろ髪を手でちょんちょんと直す仕草するシーンがありました。
前作である、この作品の劇中にも同じシーンがあります。このように、リターンズにはこのジュリー・アンドリュースさんの演じたのメリー・ポピンズのオマージュが隠されていそうです。
なので、これからリターンズを観に行く予定のある方は、前作のこちらを観ていくと、より楽しめるのではないかと思います!
まき子
コメントを残す